「情報技術と書写書道」について
現在、我が国の人口は減少の一途をたどり、経済活動を支える生産年齢人口も減っています。このような状況下、持続的な経済成長を実現するためには、ITを活用した生産性の向上を推進する必要があり、情報技術を徹底活用できる人材の育成が急務です。
近年、スマートフォン保有率が年々増加し、7割を超えています(総務省、平成29年版 情報通信白書)。多くの若者がスマートフォンを持つことで、パソコンが必要なくなり、キーボードで文字入力をする機会が減少しています。しかしながら、大学生が論文を書いたり社会人になって仕事で文章を作成したり、プログラムを組んだりするときには必ずと言っていいほどパソコンとキーボードを使います。スマートフォンは、携帯に便利でいつでもどこでも使える反面、長文の文章や本格的なプログラミングをするには不向きです。小学校学習指導要領(総則)にもあるように、コンピュータで文字を入力するなどの、学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作は、情報技術の基礎基本です。
文字入力技能とあわせて、日本語の読み書きを基礎基本からしっかり学び、グローバル社会の中で、堂々と日本人としての誇りと自信を手書き文字で表現できる技能も重要です。「文字を正しく整えて速く書くことができるようにするとともに,書写の能力を学習や生活に役立てる態度を育てる(文部科学省、中学校新学習指導要領)」にあるように書写(筆記用具を使って文字を書くこと)も学習の基盤として必要となる国語の基礎基本です。また、2020年度から実施予定の「大学入試共通テスト」では、一部で記述式問題が導入されます。当初は国語と数学で実施され、2024年度以降からは地理歴史・公民や理科分野に広げることが検討されています。
しかしながら、文字入力が得意でも書写は苦手、書写は得意でも文字入力は苦手という児童生徒が多いことを現状として認識しています。
そこでこの度、毎年実施している「ITリテラシー大賞の表彰式」とあわせて「パソコンと美文字のワークショップ」を(一社)全国書写書道教育振興会、日本書写書道検定員会と共催で実施いたします。文字入力のにがてな方、文字入力を深めたい方、小学生向けのプログラミング、中高校生向けの人工知能を活用したプログラミング、スマホを使って基礎から書写(縦書き)を学習、読める文字を正しく速く書く(横書き)ことを学習、などのワークショップを開催します。
参加は無料となっておりますので、多くの方々の参加をお待ちしております。
ITリテラシー大賞について、詳しくはこちらをご覧ください。
パソコンと美文字のワークショップについて、詳しくはこちらをご覧ください。
(引用元)
総務省 平成29年版情報通信白書
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/pdf/index.html
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/gengo/1300857.htm